Ghibli, say yes .... please!

Proposal to Studio Ghibli [英語]

Dear friends at the Ghibli Studio,

突然こうして作品をお送りすることをお許しください。 私は、版画家デービッド・ブルです。30年以上も日本で暮らし、日本の伝統木版画を作り続けてきました。初期の頃は伝統的な題材を扱っており、代表作は十年をかけて制作した「百人一首シリーズ」です。マスコミにも何度か取り上げられ、話題にもなりました。 私はその後も様々な企画を考案し、成功を収め続けていましたが、次第に伝統的な題材を復刻することに飽き足らなくなってきたのです。そして思いついた案が、「現代的な題材と伝統木版画の手法を組み合わせることによって、新たな美の境地を開拓する」という冒険です。

試行錯誤の末、数年前からその試みを開始しました。結果は期待を大きく上回る反響で、青梅の自宅兼工房ではどうにも手が回らなくなり、少しずつ協力をしてくれる職人を集め、育てる活動も並行してきました。現在は、浅草に店舗兼工房(木版館)を構え、彫り師・摺り師・梱包その他の仕事をする総勢15人の若いスタッフの協力を得ています。現在は伝統木版画に興味を持ち、私の工房で意欲的に学び腕を上げていく若者達が次々に育っています。 私共の工房「木版館」の基本理念は、 ー 日本の伝統木版画手法にこだわりつつ、 ー 現代の人々に愛される題材を取り上げ、 ー 価格をできるだけ抑え、しかも、作品に限定番号を付けない、としています。 私達の作る版画は、老若男女の誰もが気軽に楽しめる存在になって欲しいからです。

同封の作品は、スタジオジブリの許可を得ていないことを承知で制作したサンプルです。作った目的は、多くの人を魅了するジブリの絵を伝統木版画で表現したらどのようになるか、新たに生み出される魅力を実際にお見せしたい、ただその目的だけのために作りました。私共工房のスタッフが実際に何枚もの版木に彫り、試行錯誤を繰り返して摺った結果です。 伝統木版画には正しい鑑賞方法があります。どうか試してください!作品を手にしましたら、柔らかな明かりの差し込む窓辺に行き、作品に対し自然光が水平に注ぐように鑑賞してください。いかがですか?優しい和紙の美しさ、バレンが版木の彫り残された部分を擦ることで凹凸を生みだし、その結果、表現される立体的な線。木版画は、平面的な「絵」ではなく、美しい「オブジェクト」であることをご理解いただけたでしょうか?

ここまでご説明すれば、私の意図はお察しのことと存じます。ジブリ作品を伝統木版画で制作する許可を頂きたいのです。 実行に移す以前に、様々な取り決めなど、ご相談しなければならない事はたくさんあると存じます。どのデザインを使用できるか、完成した作品に対するジブリの承認、著作権に対する支払い、等々。私どもが企画するのは基本的に単体販売ではなく、12作品を1シリーズとし、ほぼ1年をかけて1枚ずつ購入していただく予約販売形式です。ジブリ作品に関しては、ご覧のサンプルと同じ大きさで1枚4〜5千円位、そして、ジブリ作品の様々な場面を題材にしたいと考えております。

以上がお伝えしたい内容のあらましです。ご理解いただけましたら、担当者の方々と是非一度お会いして、より詳しいお話をしたいと存じます。

ここまで読んでいただきありがとうございました。伝統木版画を愛する木版館スタッフ一同、前向きなお返事を頂けることを強く願っております。

デービッド・ブル
木版館
東京都 台東区 浅草 1-41-8
070 5011 1418


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